コロナに限らず肺と気管支のこと
私は基礎疾患と呼べるものは、一応、ない。
まぁ最近は軽度の肥満が常態化してしまっているが、健康診断で測る重さや数値だと「ガッツリ肥満」になるものの体組織を測ると意外と筋肉量が多いので総合的には「軽度の肥満」になる。
体脂肪率も標準の肥満寄りでギリギリキープ。
胃腸に空気が溜まりやすく、またホルモンバランスで周期的に便秘にもなるので、健康診断で測る部位が固く出っ張っている頻度が高い。
そもそも毎年人がやる事なので仕方ないが、測定位置も異なるし、測り方が緩い人とピシッとしている人とで数センチの差異が出る…
なので、あえて言うなら肥満。
あと長年、処方薬を飲み続けているので肝臓がちょっとヤバい。
ほぼお酒も飲まないし、油物も糖分も減っているのに、今になって脂肪肝警告。
それ以外は昔からの貧血。
ただし、糖尿病でもないし、一般的に基礎疾患に含まれるのはせいぜい肥満くらいか。
だけど、呼吸ができない、横になれない、眠れない辛さはよくよく知っている。
もともと喘息持ちではない。
けれど今でも疲労の蓄積やストレスで免疫力がガタ落ちしていると風邪をきっかけに罹ってしまう、咳喘息。
治療薬は気管支喘息と同じものを使う。
錠剤だけではダメ、吸入も必須(昔はフルタイド等で逆に咽せて吸った薬をリバースしてた…)。
通院時はネプライザーで鼻と咽頭両方から投薬吸入。
1回発症すれば治まるまで最低1ヶ月、長ければ3ヶ月、そんなのを年に1〜3回というのが秋〜春先の恒例。
その間は、夜は咳が止まらないから横になれないし、苦しくて眠ることもロクにできない。
咳で全身筋肉痛になり、背中や腹筋がギシギシして、喉を痛めて声もカラカラ(ガラガラも通り越しているので出ない)。
喉が痛くて、何かを吸い込むと咳き込むから、飲食が辛くてフラフラになる。
咳のしすぎで聴覚おかしくなるし、自身の頭にも響いて痛くてクラクラして重い。
喘息持ちでもないのに、何故こうなったか?
初めて発症したのは、24歳くらいの頃。
当時勤めていた会社は昭和の悪い名残満載で、分煙運動が広まりつつある中でまだ普通に何処ででも喫煙できていて。
更に私がいた席は島の端ではあったものの、前、隣、斜め前、三方全員がスモーカー。
ついでにその向こうの人も、後ろの人もスモーカー。
隣に至ってはチェーンスモーカー。手に煙草を持っていない時がない。
書類を見ていても、PCを操作していても、電話していても、常に左手に煙草。
そしてその左の席には私。
誰も文句なんて言えない。だって、それは「当たり前」の風景でしかないし、部長も課長も係長も一般も、みんな煙草を吸っている部署だった。
更に当時、その会社は女性は一般採用していなかったので少ない上に物申せる立場ではなかった。(女性はコネ入社と派遣社員しか存在していなかったのですよ、本当に)
私は特殊指定業務で派遣されていたのだけど、なんだかんだで他の仕事も回され、その部署の中の一員として一年近く過ごしたある冬。
社内でインフルエンザと風邪が流行り、私も風邪でダウン。
幸運にもインフルエンザではなかったけれど、熱より何より、初めて「止まらない咳」に苦しめられた。
最初は変な風邪と思って、病院に行ってレントゲンを撮ったら気管支から肺にかけて白っぽく写っていて、肺炎になりかかっているから、処方薬をキッチリ服用して安静に!と言われて驚きつつ納得したのが始まり。
熱も下がり、肺も綺麗になって、風邪の症状も治ったのに、何故か咳だけが続く。
しかも痰が絡むようなのではなく空咳が延々と。
2週間経っても治まらず悪化したまま維持、さすがにおかしいと再受診して言われたのが「咳喘息」。
最初に何を処方されたのか忘れてしまったけど、多分まだ軽い方の咳止めと喘息治療薬だったと思う。
基本的に私は薬が効きにくいのだけど、生まれて初めて飲んだ喘息の薬は、末梢神経にまでやたらと効いて、まるでアル中のように手が指がプルプル震えて力が入らず驚いたのを覚えている。
ただし、そうして効いたのはそのシーズンだけ。
毎度のように、あっという間に薬物耐性ができてしまったらしい私は、シーズンを追うごとに薬を変え、増やし、強めていくことに。
そうして、睡眠障害同様に、「通常の社会生活を送りながらで服用できるもの」の上限にあっという間に辿り着きました。。
そこからは、慣れと工夫と、忍耐。
「痛み」に対しては、周囲の人よりだいぶ耐性があるというか我慢できる方だったけど、そこに「苦しい」も耐えるが加わったと。
咳喘息なので、同じように苦しいし呼吸も浅くて、脳に届く酸素が足りなくてフラフラズキズキするんだけど、ヒューヒューする音はしない。
小児喘息は水泳などで呼吸器を鍛えながら成長して治ったりするけれど、咳喘息は何の関係もなく大人でも突然なって完治はない。最近は引きこもりの生活のおかげか発症しないが、今後も発症しないわけではない。
ついでに、中学に入るまでは週3回スイミングスクールに通っていて、体操教室にも行っていて、呼吸器系は鍛えられて育ってきた方。
中学は受験メインだったけれど、高校は体育も楽しかったけどダンスの授業が好きだったし、選択授業は3年間音楽で発声練習やっていたし。
それでも、煙草の煙に囲まれていたら一気に気管支〜肺が弱くなった。
今でも、咳喘息が出ていなくても、凄く意識しないと呼吸が浅くなるし、うまく呼吸できない(慢性鼻炎の影響もあるかな)。
明らかに咳喘息が出るようになってから、肺活量も減って発声力も声量も落ちた。可能な持久力に反して息切れも早い。
肺は、一度壊れたら二度と再生しない。
我が父のように。
私が高校生の頃に過労で倒れて入院してもやめなかったが、大学生になった頃に相当のことをドクターに告げられたのか、突然禁煙🚭開始。
頑固な性格がここでは幸いして、無事に卒煙。
その20数年後。
散歩に出た先で突然倒れて救急搬送された。
母が駆けつけた時は、いつもと変わらないように見えたという。本人も「何ともないから帰ろう」と言ったらしい。
しかし検査したドクターは深刻な様子で、即入院告げる。
ドクターからしてみれば、何故、本人が平然としていられるのかが不思議な状態だった。
私も連絡を受けて、時間休を取って病院に駆けつけ、カンファレンスルームに通された。
こういう時の母は、いつもの気の強さが鳴りを潜め、私を前面に(矢面に)出す。
一人娘ではあるが、実質一人息子のように育てられたと感じているし、親もそう意識したらしい。(変な所で急に女扱いされるから違和感が半端ないが)
そこで言われたこと。
詳細は明日以降の精密検査の結果を見ないと分からないが、肺から出血が止まらず続いている。本人も苦しいはずなのだが…
と。
その時に撮った肺のレントゲン写真は、衝撃だった。
最初に想定していた白い影は見当たらない。が、逆に真っ黒の部分の何と多いことか!
父の肺胞は、予想以上に壊滅していた
稼働している肺胞が少ない、即ち酸素を取り込み二酸化炭素を吐き出すことができる機関が少ない欠損部品ということ。
父は20数年前に卒煙したが、そのまえの30余年は喫煙していた。
しかも若い頃はショートホープやPEACEのような重いのを好んでいたらしい。
子供の頃にはマイルドセブンをお遣いで買いに行っていたし、それすら途中から1mmになっていたので、かつてあんなキツいのを好んでいたとは知らなかった。
その頃のツケが、80近くなって出たという訳だった。
会話が出来たのはその入院時だけだったようで、私がついた時には父は眠っていた。
翌日にはもう肺からの出血が気管支を詰まらせ呼吸困難に陥らせ、更に腎臓の機能低下が見られ、あっという間に意識がなくなりICUへ移動となった。
今でもおそらく難病の、全身性血管炎「腎肺症候群」という肺胞出血と腎不全、同時に陥るものだった。
肺の損傷と出血で自発呼吸が難しくなり、人工呼吸器を付け、腎不全を同時に起こしていたので透析も行い。
高熱が続き、麻酔と合わせて意識はずっと朦朧、面会に行っても家族を認識することもなく。
2〜3度は値が上向き、投薬効果が出て寛解に向かえるのでは?という糠喜びのシーンがあった。
が、結局はそう3度目だかに言われた翌早暁、危篤連絡。
倒れてから1ヶ月目、人工呼吸器を付けたまま、父は帰らぬ人となった。
たぶん、新型コロナで急激に悪化する時というのは、うち父どころではなく、ほんの1日2日でも起きてしまう。
しかもあの頃と違って、感染症に対応できる知見のある臨床医も看護師も人工呼吸器も足りていない。
風邪だって、風邪という病気はないのだから症状は様々で決して軽いものばかりではないが、間質性肺炎を起こすリスクがどれ程あるか?といえば、逆説的に「新型コロナは風邪レベル」と簡単に言えてしまうほど、それを聞いて「そうかも」と思ってしまえる人が一定数いるほど、肺炎の苦しみを知らない=罹ったことがない、という程度。
雨に打たれ続けて、とか、海だか湖だかに落ちてずぶ濡れなのにそのままで〜とか、ドラマやマンガでよく描かれる「そのままでは風邪を引く、最悪拗らせて肺炎にでもなったらどうするんだ!」ってセリフの使われ方からしても、そうそう拗らせることはないけど、という否定が前提にある。
とはいえ年間これだけの人数が肺炎に罹って死に至っているだろう!って反論が聞こえてきそうだな。
でもさ、それって新型コロナみたいに「肺炎を起こすのが症状の感染症」が原因?
単純に風邪→肺炎で拗らせてっていうのは、特に年配者はあるよ?元々、老化で各臓器の機能が低下しているからね。
だけど、なんだかんだで合併症が多いんじゃないの?眠いから文献は後日調べるけどさ。
元の疾患があって、免疫力が低下していて、そこにウィルスというトドメでしょ?
でも新型コロナは、基礎疾患がなかろうと、喫煙歴なくて肺が綺麗な人だろうと、寄生して増殖して肺の細胞をぶっ壊すわけですよ。
人間、痛いだけ、気持ち悪いだけなら、不快だし辛いけど、耐えることはできる。
でも呼吸における「苦しい」を耐えることはできない。つか5分肺のガス交換が止まったら次は心停止だから。
呼吸が阻害されるってことは、十分な酸素が脳にも行き渡らずガス交換が適切に行われずってことなので、臓器損傷(脳も)不可逆的に起こり得るし、何より「息苦しい」がずーーーっと続く。
潜水の訓練もしたことがないのに、500mlの酸素ボンベだけで100m潜水してね、って言われてるようなもん。個人的にはね。
もしくは息を吐きながら水に潜っていて、苦しくなってきた最後の手前くらいが延々と続く、というか。
もちろん、そこまで至らない免疫力が強くて(他の要因もあるでしょうが)呼吸も肺も無事な人もいるでしょう。
だからといって他の人もそうではないし、その人から感染・発症した人は呼吸困難に陥ってしまうかもしれない。
基礎疾患は全てに対してリスクだから新型コロナに限った話ではないので置いておいて、むしろ何もなくても、気をつけていても、ロシアンルーレットのように感染・発症し、ロシアンルーレットのように重篤化する。
…世間一般で「風邪」と呼ばれている症状に、そこまでのギャンブル性はないよね?
インフルエンザだって毎年変異はしているし感染力が上がったりしているけど、ここまで短期で鼠算のような強力な変異は起きてないよね?
最初のCOVID-19→アルファ株→デルタ株→ラムダ株
それでも風邪やインフルエンザと同じって言い切れる人って、凄いなぁ。
肺炎リスクが0.1のものと20のものがあったとして、彼らには同等なんだろうなぁ。
人類の歴史って、治水の歴史でもあり、宗教の歴史でもあり、薬学と感染症の歴史でもある。
ペストだって、席巻して膨大な死者を出した頃は医学も未発達で正しい対処は1〜2個程度らしいし、スペイン風邪も、結核も、弛まぬ研究者や医療関係者の努力によって終息してきている。
その間には大量のデマも出回って、意味のない治療や対処(ペスト患者の出た家は家族ごと焼かれるとか)も行われた。
…なんか、今も変わらないよね?
人間は所詮人間、テクノロジーを手に入れようとアナログな生き物はそうそう基本性能は進化しないってことか?
…寝付くまで徒然〜と思って書いていたから、後日見直してアレコレ修正するかも。
夜中に書いちゃダメだよねーいろんな意味で…
あ。そろそろ眠れそう。